JPEGの画質は何%にすべき? 画質10〜100%とWebPを実測して比べた

公開: 2026-09-19 · 執筆: niherattyo

画質100%と95%で何が違うのか。WebPは本当に小さいのか。JPEGは保存し直すたびに劣化するのか。4種類の画像で実際に測った数字から、画質の決め方をまとめました。

何を確かめたのか

画像を小さくするとき、JPEGの「画質」を何%にすればよいのかは迷いやすいところです。 そこで、このサイトの画像圧縮ツールやリサイズツールと同じ仕組みで、画質を変えながら保存し、 ファイルサイズと画質の落ち方を実際に測りました。

  • 画質100%は95%の約3.5倍のサイズになりますが、見た目の違いはほとんどありません。
  • 同じ画質の数字なら、WebPはJPEGより3〜6割小さくなりました。ただしWebPの100%は「劣化なし」の別方式になり、JPEGより大きくなります。
  • 同じ画像をそのまま何度保存し直しても、画質はほぼ落ちませんでした。一方、保存のたびに少しでも切り取ると、画質は保存ごとに落ちていきました。

試し方

  1. 見本の画像を 1920 × 1200 ピクセルに縮小する(SNSやWebでよく使う大きさ)。
  2. ブラウザ(Chromium 152)の canvas.toBlob で、JPEG と WebP を画質10%〜100%で保存する。このサイトの画像ツールと同じ保存方法です。
  3. 保存した画像を読み込み直し、元の画像とのずれを PSNR で数値にする。

PSNR(ピーク信号対雑音比)は、元の画像とどれだけ違うかを表す数字で、大きいほど元に近くなります。 単位は dB(デシベル)で、一般に 40 dB を超えると、並べて見比べても違いがわかりにくいとされています。 30 dB 前後では、ブロック状のノイズやもやがはっきり見えます。

見本には、Windows 11 に付属している壁紙から、写真のように作られたCG画像を3枚選びました(どのパソコンにもあり、同じ試験をやり直せるため)。 それに加えて、文字とグラフを描いた図を自作しました。

画質の「%」の意味は、保存するソフトごとに違います。ここでの数字は Chrome や Edge など Chromium 系ブラウザでの結果で、 画像編集ソフトやスマートフォンのカメラの「画質90%」とは同じにならないことがあります。

結果1:画質とファイルサイズ

風景の画像での結果です。元の画像は、劣化のないPNGで保存すると 3,268 KB ありました。

画質JPEG サイズJPEG 画質差WebP サイズWebP 画質差
10%23 KB31.5 dB17 KB35.0 dB
30%46 KB36.2 dB27 KB36.5 dB
50%66 KB37.6 dB40 KB37.9 dB
70%95 KB38.9 dB53 KB38.8 dB
80%130 KB40.0 dB75 KB40.1 dB
90%237 KB41.8 dB153 KB42.1 dB
95%412 KB43.4 dB272 KB43.2 dB
100%1,426 KB56.3 dB1,718 KB劣化なし

わかったこと

  • 100%は割に合わない:95% → 100% でサイズは約3.5倍(412 KB → 1,426 KB)になりました。PSNRは大きく上がりますが、95%の時点で見た目の違いはほぼありません。
  • 90% → 95% でも約1.7倍:画質を5%上げるだけで、サイズは大きく増えます。
  • 70〜85%あたりが目安:80%でも PSNR 40 dB で、元のPNGの約25分の1(130 KB)になりました。このサイトの画像圧縮ツールの初期値は70%です。
  • WebPの100%は別物:Chromium の WebP は、画質100%を指定すると劣化のない保存(ロスレス)に切り替わります。そのため 1,718 KB と、JPEG の100%より大きくなりました。

結果2:画像の種類による違い

4種類の画像を、どれも画質80%で保存して比べました。

画像PNGJPEG 80%WebP 80%WebP の小ささ
風景(空・水面・草)3,268 KB130 KB
40.0 dB
75 KB
40.1 dB
−42%
細かい質感(ざらついた面)1,582 KB148 KB
35.8 dB
97 KB
36.6 dB
−34%
なめらかなグラデーション2,432 KB139 KB
39.6 dB
77 KB
40.2 dB
−45%
文字とグラフ(自作の図)162 KB92 KB
40.9 dB
40 KB
42.1 dB
−57%
  • どの画像でも、WebP は JPEG より小さく、PSNR は同じか高くなりました。
  • 細かい質感の画像は、同じ画質80%でも PSNR が低くなりました(35.8 dB)。細かい模様ほど、圧縮で失われる情報が多いためです。
  • 文字や図はPNGが有利:文字とグラフの図は、PNGでも 162 KB と小さく、しかも劣化がありません。 JPEG は文字のふちに「もや」(モスキートノイズ)が出るため、スクリーンショットや資料の図は PNG か WebP が向いています。

結果3:保存し直すと、どれだけ劣化するか

「JPEGは保存し直すたびに劣化する」とよく言われます。そこで風景の画像を画質90%で10回続けて保存し、 1回目と比べてどれだけ落ちるかを調べました。

保存した回数そのまま保存し直す毎回1ピクセル切り取ってから保存
1回41.8 dB41.8 dB
2回41.7 dB40.5 dB
3回41.7 dB39.7 dB
5回41.7 dB38.4 dB
10回41.7 dB36.1 dB
  • そのまま保存し直しても、ほとんど落ちない:同じ大きさ・同じ画質で保存し直すと、2回目以降はほぼ同じ画像になり、10回でも 0.1 dB しか下がりませんでした。 JPEG は画像を 8 × 8 ピクセルのブロックに分けて圧縮するため、一度圧縮されたブロックは、同じ条件ではほぼ同じ結果に戻るからです。
  • 切り取りや縮小を挟むと、毎回落ちる:保存のたびに1ピクセルだけ切り取ると、ブロックの区切りがずれて毎回新しく圧縮されるため、 10回で 36.1 dB まで下がりました。これは、画質50%で1回保存したとき(37.6 dB)より悪い値です。

SNSやメッセージアプリで画像を転送し直すと劣化するのは、受け取った側で縮小や切り取りが行われ、そのたびに保存し直されるためだと考えられます。 編集するときは、一度JPEGにした画像ではなく、元の画像から作業するのが確実です。

まとめ:画質の決め方

  • Webやブログの写真:JPEG 70〜85%。サイトが対応していれば WebP 70〜80% でさらに小さくできます。
  • 画質100%は使わない:JPEG は 95% で十分です。WebP の 100% は劣化なしの別方式になり、かえって大きくなります。
  • スクリーンショット・文字の多い図:PNG(または WebP)。
  • 元の画像は残しておく:切り取りや縮小をしてからの保存を繰り返すと、画質は確実に落ちていきます。

この記事で使ったツール